これは私が高校生のときの話です。国際課に通っていた為、昔から国際課の修学旅行は海外でのホームステイでした。行き先はアメリカ。
二人一組で二泊ホストファミリーのお宅にお世話になるということで日本からのお土産やどこに行きたいかなど楽しみながら友達と考えていました。
朝一に日本を出発しその日の夜からさっそくホームステイだったので近づくにつれ緊張していました。
夜、それぞれのホストファミリーと合流し、一通り簡単な挨拶を済ますとそれぞれの家に向かいました。私たちは、ご両親にまだ小学生くらいのお子さんが二人のホストファミリーにお世話になりました。
車中でも簡単な英語で言ってくれたり、お腹すいてないかなどとても気を使ってくれて、私たちは安心してお世話になれると思っていました。
その日は移動や緊張でとても疲れていて用意された部屋でぐっすり眠りにつけました。
翌日の午前中には観光とショッピングを兼ねて有名な大型のショッピングセンターに連れていってくれました。そこで買い物は自由にしていいから、時間になったら入口に集合ということでホストファミリーとは別行動になりました。ここまでは普通に過ごしていましたが、事件は自宅に帰ってから起こりました。
ホストファミリーが何か言い合いをしているのが分かり、言葉も早く聞き取れず、何かあったのかなと私達は部屋にこもりただただじっとしていました。
言い合いが終わったのか静かになったとき私たちは呼び出され衝撃の言葉を耳にしました。
それは「明日から旅行に行くことになったから他のホストファミリーを探してくれないか」というのです。
最初全てを聞き取れず、要所要所で明日、旅行というワードしか分からず理解できませんでした。辞書を使い、ようやくことの重大性に気付き私たちは頭が真っ白でした。ホームステイは明日までの決まりで、この日もう一泊しないといけないのにそれを今からいきなり出ていけと言われ今にも泣きそうでした。
自分たちではどうにもできず、引率の先生にすぐ連絡し、事情を説明すると先生も慌てて「すぐ他のホストファミリーを探してみるからもう少し待ってて」と言われ、しばらく待っていると先生から折り返しの電話がきて「なんとか見つかったから今から向かえに行く」と言われ、それから私たちは他のホストファミリーの元へ行きました。
私たちが予想してなかったまさかの状況に不安と焦りでいっぱいの中、隣では新しくホストファミリーが決まったのを安心してか嬉しそうに旅行の準備をしてる家族を見て私たちは言葉を失いました。
文化の違いといえども、あまりにも日本では考えられない非常識な出来事にもうあきれる他ありませんでした。
今思えば笑い話でいい思い出ですが、その当時はもし新しくホストファミリーいなかったらどうしよう。それでも私たちを追い出すのかな。と私たちの不安はピークでした。
普段からこんな自由なのか、なぜホストファミリーを引き受けたのか今でも謎です。
自由の国アメリカとは聞いたことがありましたが、自分が経験して、これか!と思いました。
いろいろありましたが、無事帰国でき本当によかったです。
それにしても日本の常識では考えられないような無責任極まりないホストファミリーぶりには呆れますよね。