15年ほど前にアメリカを独り旅した帰りに空港で冷や汗をかいたエピソードを書きますので皆さんも今後の参考にしてください。
それまでにも私はアメリカを何度か独り旅していたので、特に何の心配もなく旅を楽しんでいました。帰国便が出発するサンフランシスコ国際空港も一度利用していたのでこちらにも少し気の緩みがあったのかもしれません。
当時サンフランシスコ国際空港は拡張改装工事のまっただ中で、空港で働いている職員でもターミナルの変更を完全に把握していない人もいるほどでした。
ダウンタウンのホテルからシャトルサービスで空港に到着したときに、ドライバーがどこの航空会社かを尋ねてきました。そこで私は何も考えず、
「ユナイテッド!」と答えました。
これがトラブルの原因になるとは思いもせず、私はユナイテッド航空のチェックインカウンターで降ろされました。
エコノミーのチェックインカウンターはいつものように大行列で、出発時刻より四時間早く空港に着いておいてよかったと安心しながら、私も列に並びました。私に順番が回ってきたので航空券とパスポートを見せると、係員が怪訝な顔をして何か早口で言いました。
「出発日も時間も間違っていないのになんだろう?」
と不思議に思いましたが、係員はそのまま私の荷物を預かってボーディングパスをくれました。ただ、そこに書かれていたゲート番号が手書きだった上に、座席番号が空欄だったのが気になりました。
無事チェックインを済ませたと確信した私は最後の買い物に、免税店を探しました。ところがそれらしきエリアがまったく見つからない上に、ゲート番号も桁を間違えているのかと思うほど周辺のゲート番号からは離れていました。
仕方がないので、空港の地図を探して手書きされたゲート番号を目指して歩き始めました。
20分くらい歩いてたどり着いたゲートの近くにユナイテッド航空の日本人職員がいたので、ゲート番号が手書きの件と、座席番号が空欄の件を尋ねてみました。
係員は私のボーディングパスを見ると驚いた表情で、
「あなたは国内線カウンターでチェックインしてしまいました。普通なら国際線カウンターに並び直すよう指示されるのですが、係員の配慮で国際線のシステムに入ってチェックインだけを済ませたようです。ただ、国内線カウンターでは座席指定が出来ないので座席番号は空欄になっています。飛行機に乗れることは確実ですが、預けた荷物が乗っているかどうかは保証できません。また、座席が決まっていないので搭乗が最後になって空いている席に案内されますので了解してください。」
とのことでした。
搭乗アナウンスがあり他の乗客が次々機内へ進む中、私は独り残されて不安で一杯でした。
すべての搭乗が終わった後名前を呼ばれてやっと搭乗することが出来ましたが、それまではドキドキの時間を過ごしました。
そもそも並ぶべきカウンターを間違えているなら並び直すよう指示してもらえたらこんな身体に悪い時間を過ごすことはなかったので、怒りたい半分と、たらい回しせず出来る対応をしてくれた国内線カウンターの係員に感謝する気持ち半分の複雑な気分で帰国することになりました。
関空では心配していた荷物もあってやっと一息付くことができました。
ここ数年はeチェックインシステムになってこのようなことはないのかもしれませんが、アメリカの空港は規模の大小が激しいので、大空港でカウンターが細分化されているようなところでは、しっかり確認してからチェックインカウンターに並びましょう。