GNPは日本語に訳すと国民総生産と訳されます。
一方、GDPは国内総生産と訳されます。
たった一文字、民と内という言葉の違いですがそれが示す意味は異なっています。
その違いを日本を中心に考えてみましょう。
GDP
まず、GDPは日本の中で生み出された付加価値の合計です。
その価値を生み出した人や企業が日本人でもアメリカ人でも中国人でも関係ありません。
日本国内で付加価値を作ればGDPに含まれます。
この付加価値というのもやや難しいかもしれません。
付加価値とは例えば電化製品を作った時、材料費等がかかります。
そしてその材料を使って商品を作り、販売した際に利益を見越して価格を付けますが、
この価格から材料費を差し引いた額がその人や企業が生み出した付加価値ということになります。
GDPは国内で生まれたこれらの付加価値を総計したものということになります。
GNP
一方、GNPは国民によって一定期間に生み出された付加価値の合計を示しています。
ここでいう国民とは日本国籍を持つということではなく、日本に住んでいるということです。
これもアメリカ人でも中国人でもほかの国でも構いません。一定の期間日本に住んでいる人すべてに当てはまります。
そしてGNPはこの国民が生み出した付加価値の合計ということです。
こう見るとどちらも違いがないように思えるかもしれません。
両者の違いはGNPには海外からの純所得も含まれるということです。
海外からの純所得とは、例えば日本で仕事をしている人が海外でも仕事をしているとします。
日本で生み出した付加価値は当然GDPに含まれますが、その人が海外の事業などで得た付加価値はGDPには含まれません。
しかし、企業活動をすれば必ず利益が得られますし、働いた人にはお給料も支払われます。
GDPは国内で生み出された付加価値なので、これらの海外で生み出された付加価値はGDPには含まれませんが、
そのお給料や利益は税金を差し引かれて日本にいる人や企業の所得となります。
これらの海外で得た日本にいる人の所得となった金額はGNPには含まれるということなのです。