万葉集~現存している我が国最古の歌集

万葉集 特集

万葉集は現在ある、日本で最も古い歌集です。

古事記、日本書紀の素朴な歌謡や民謡の伝統を受けながら、和歌というもっとも普遍的な文学形態の完成を見るのも、万葉集が最初です。

万葉の歌人は和歌という表現形式を手にすることによって、さまざまな心情を素直に歌い上げました。

万葉の歌にみずみずしい生命感があふれている理由の一つは、おそらくそうしたところにあります。これこそ日本人の魂の故郷であり、1200年もの長きにわたって読み継がれてきた民族の古典といっても、過言ではありません。

万葉集の作者たちは天皇、皇后をはじめとして皇族、貴族、宮廷官人から農民、遊行女婦、乞食者に至るまで実に多様な階層にわたっています。それぞれに多様な生活があり、奈良時代を生きた人々の息吹があります。

血なまぐさい政変もすっぽりと包みこんでいます。こうした万葉の世界に分け入って万葉人と語らいつつ、時に振り返って今を見るのも有意義なことです。

万葉集は全20巻からなっています。それは大効く分けると1部と2部に分かれています。第1部は巻1から巻16の16巻で、第2部は巻17から巻20の4巻です。第1部と第2部には構成、編纂の上に明らかな違いが認められています。

それはまず第1部は歌をおおむね時代順に配列してさらに雑歌、相聞、挽歌等の部立てによって分類しているのに対して、第2部はそうした部立ては一切なく大伴家持個人の歌日誌的色彩が濃いこと、さらに第1部は柿本朝臣人麻呂歌集といった個人の歌集や山上憶良の類聚歌林、古事記、日本書紀など、諸本による注記や校合と言って本文との相違を他本と照らし合わせてただすことがみられるのに対して、第2部にはそうした点が全く見られません。

このように万葉集全20巻は、1人の編者の手で一挙に完成したものではなく長い年月をかけて数次の編纂を経て、今日の形に整えられたものです。

万葉集に収められている歌の数は、4561首にのぼっているといわれています。

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