哲学について

哲学 特集

哲学という言葉は有名ですが、具体的にどのような学問であるのか分からない人も多いでしょう。哲学とは人生観を養うための学問といえます。人は生きていくうえでの基準を自分のなかに持っています。一流大学に進学して一流企業に入るのが素晴らしい人生だと考えている人もいるでしょう。

その一方で、愛する人とともに歩むことが幸せな人生と感じる人もいます。どのような人であっても、人生観を持って生きているのです。その人生観に影響を与える要素は、道徳や宗教などあらゆる分野のなかに存在します。多くのものが作用しあって人生観を形作っているのです。人によって作用するものは異なりますし、作用の具合も違います。

そのような散漫な状態であるのが世の中の実情ですが、一方で統一的な見解を欲する人も少なくありません。そこで多くの人の指標となりうるのが哲学なのです。

哲学とはさまざまな分野の学問や知識を網羅的に統括し、人間としての本質を考える学問であるといえます。対象が本質であるため、時代が移り変わっても大きく変わることはありません。そのため今でも、過去の哲学者の言葉が格言として語り継がれているのです。もちろん一口に哲学といっても、さまざまな種類があります。

しかし複雑な人間社会と比べれば、非常にシンプルで類似しているものが多いです。社会のルールや慣習だけでは判断しかねる局面において、統一的な指標になりうるのが哲学の大きな役割といえるでしょう。

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デカルト

デカルトとは、17世紀のフランスの哲学者です。キリスト教の思想に染まった中世哲学を打ち破り、近代哲学の父として科学の発展に貢献したと言われています。

デカルトは1596年にフランスのラ・エーという地で生まれました。10歳になった1606年に優秀な生徒や教師が集められていたラ・フレーシュ学院に入学し、18歳で卒業するまでその中でもひときわ優秀な成績を修めていたとされています。

デカルトの名言として「我思う、ゆえに我あり」があります。これは精神の存在を定義化したとされる言葉として有名であり、哲学史上で最も有名なテーマの一つとされています。

この言葉の意味は、「自分が存在しているということの証明は、今自分が証明する方法を考えていること自体が証明になっている」という意味です。あらゆる存在は疑うことができますが、自分が今考えている、思っているということは疑いようがない、ということをデカルトは発見しました。

カント

カントは18世紀~19世紀に活躍したプロイセンの哲学者です。デカルトに代表される大陸合理論は理性で考えたものを正しいと見なすので、理性的であれば自分勝手な主張も正しいことになります。

これを独断的形而上学といい、カントは世界について考える時に理性だけでは不十分だと考えました。理性も感覚も批判的に考え直すことで「人間とは何か」について思考を巡らせました。

彼が著した「純粋理性批判」と「実践理性批判」「判断力批判」からは批判哲学が読み取れます。「純粋理性批判」では経験論を用いても普遍的な認識にはたどり着けないため、経験とは別の認識能力があると提唱しました。私たちは自分が見る物に対して、それがそのままの姿で見えていると考えます。自分の世界にある対象物がそのまま入り込んだという感覚です。

しかしカントはそれは違っていて本当は対象物を見る私たちの方が見る目を歪めていると考えました。色付きのサングラスで見れば、真っ白な物も色が付いて見えるのと同じです。この根本を揺るがす発想はコペルニクス的転回と呼ばれます。

経験する前から色付きのサングラスを持っており、それに従って世界を認識しています。さらにカントは欲求を克服することを道徳と考える風潮に対し、欲求から完全に離れることはできないとしています。自由と魂の不死、神という3つの要請を挙げて、現実には完全な道徳世界を作ることはできなくても想像することができると主張しました。

プラトン

プラトンは哲学者の祖と呼ばれるソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師にあたる人物です。古代ギリシャの三大哲学者に数えられるほど偉大な人物ですが、彼の思想は哲学だけでなく倫理学や政治学、自然学など多岐に渡ります。その結果、時期によって思想が少しずつ変化しているという問題点はあるものの、人間として当然の問題でもあると考えられています。

プラトンの偉業は、やはり観念という言葉を作り出したことによる新たな世界の誕生でしょう。現実のものだけを見るのではなく、観念という別世界ができることによってドイツ観念論に大きな影響を与えています。少しわかり辛いかもしれませんが、形而上学におけるイデア論という言葉は誰もが知っているはずです。

この哲学によって普遍的な善であり絶対なる善が存在することの証明をしています。また、師であるソクラテスの考えを文字に書き起こし、書物にすることで後世に伝えたのも大きな偉業のひとつと言えます。

アリストテレス

アリストテレスはプラトンの弟子であり、古代ギリシャの偉大な哲学者の1人として、後世に名を残しています。アリストテレスは人間の本性が、「知を愛する」ものとして、数多くの著作を残し、倫理学、自然科学、哲学、政治学、さらには詩や演劇にも、非常に大きな影響を与えました。

彼は、目に見えなくとも完璧、完全な世界が存在すると考え、いかにすれば人間はその完全に近づけるかという事を研究した、彼の師匠であるプラトンの理論を引き継ぎながら、さらに発展させていきました。

アリストテレスは一般的には哲学者として知られていますが、数学や政治学に対しても深い造詣を持ち、後世に影響を与えています。彼は、哲学を第一のものとしながらも、自然科学も必須のものとみなしていました。

アリストテレスの哲学は、彼の師であるプラトンに比べて、あまり翻訳されてきませんでした。しかし、最近になって数多くの和訳本や解説本が出版されています。高価ではなく、書店やオンラインで手に入ります。偉大な考えに触れるためにも、読んでみることをお勧めします。

マルクス

マルクスは経済学者として有名ですが、哲学者としても大きな業績を残しています。マルクスは社会の物質的な事柄が人間の行動を規定していると考えました。物質的なものが精神的な考えを規定しているというこの哲学を、「唯物論的歴史観」と言います。

この物質的な哲学観から、マルクスは経済というものを重視し、経済学でも数多くの著名な作品を残しました。資本主義を不完全な経済体制とみなし、理想的な社会が実現するためには労働者が、労働者であると同時に生産者でもある、「社会主義」の確立を目指しました。

マルクスの確立した哲学や経済学の考えの多くは、150年以上前の事であり、当然の事ながらインターネット等が発明される以前の学説です。しかし、彼が生み出した「剰余価値説」や「史的弁証法」の影響は大きく、現在でも通用する考えであると同時に、数多くの後世の哲学者や経済学者に影響を与えました。

最近では、マルクスに関する書物が多く出版されていますので、読んで研究してみると、非常に有益な発見を、期待できます。

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