現代版ポピュリズムの問題点

ポピュリズム 特集

近年ではポピュリズムと思われる政治的戦略を駆使する政治家が世界中で目立ってきています。

それも先進国においてです。ポピュリズムの言葉自体、いわゆる歴史の教科書でしか耳にしたがないと感じる人々もいるかもしれませんが、それは今、現代において再び世界中で蘇ろうとしています。

ポピュリズムとは大衆の望む政策を優先して取り組む政治の戦略です。この定義だけを見れば特に悪いものとは言えません。むしろ民衆の声を最優先する、自国ファーストな政治家は誰にとっても嬉しいリーダーとなります。

しかし、現代版のポピュリズムはその定義に加え、社会学者のオルテガがかつて批判した、政治学上の「大衆」を利用します。この場合の大衆とはいわゆる普通の市民を指すのではなく、ルサンチマンを抱え込んだ人々を指し、国民としての権利は主張するが、国民としての義務は放棄したい、という自分勝手な人々を意味します。

各国のリーダーの中には、そういった不満を溜め込んだ大衆に媚びる政策を打つ人々が、近年増えつつあります。日本でも「税金は一切上げない、高速道路は無料化する、子供がいる家庭には毎月たくさんの給付金を出す」等と、大衆に媚びた政策で、政権を奪取した政党がありましたが、この戦略こそ、ある種の典型的な現代版ポピュリズムです。

現代版ポピュリズムの欠点は限りなく実現性が低いところです。いわゆる選挙期間中、ポピュリズムの戦略を取る政党やリーダーは大衆に嬉しい言葉をどんどん投げかけていき、政権公約で約束を結ぶと掲げます。

しかし、いざ現実問題として、その政権公約や演説で訴えた政策が実現出来る見込みはほとんどなく、日本の実例で言えば、高速道路は無料化されておらず、子ども手当の充実は実行されず、増税の先送りを訴えたていた政党が、逆に与党になった途端、増税に踏み切るという、詐欺に近い政権運営をしました。

政治的な課題が山積する現代において、大衆に甘い言葉だけを投げかけるリーダーは現実が見えていないか、それとも有権者を票田としか見ていないかのどちらかである事が多いのが実情です。

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