東京は日本中、また世界中のおいしい食べ物が集まっている大都市ですが、東京にも歴史があり庶民の暮らしの営みがありました。
でも、東京に旅行や出張に行った時に「いったい東京ならではの食べ物って何なんだろう?」と知らない人もあるいは多いのかもしれません。
そこで、東京の郷土料理や名物料理についてお話します。
東京湾の魚貝類を使った江戸前の食べ物
まず東京の郷土料理といえば、江戸前寿司でしょう。
行ったら必ず食べたいですね。
握り寿司が中心で、元々は東京湾の魚貝類を使ったものいいました。江戸の文化が生んだといわれ、当時は冷蔵の手段がなかったので魚貝を煮たり茹でたり、また酢でしめたりしたものが多くあったようです。
私の母の実家は江戸川区で私もそこの出身でだったので、江戸前寿司にはなじみがありました。そんなに頻繁に食べていたわけではありませんが、近所のお寿司屋さんが江戸前寿司というのが一般的で、江戸時代から伝わる伝統的なつくり方をしているというお話を聞いたことがあります。
江戸時代から伝わるといわれる郷土料理に深川丼があります。
アサリ、ハマグリ、アオヤギなどの貝類とネギなどの野菜類を煮込んだものを汁ごとご飯にかけたもので、深川めしともいわれます。
2000年頃から深川めし屋が増えていて、これらのお店では煮込むつくり方をしている所が多いようです。深川丼はとても好きで、自分でも時々つくります。
海に近い浦安などの漁師町だった所では日常的に食べていたようで、その家の味としていろいろな工夫がされていたようです。
「農山漁村の郷土料理百選」の選ばれています。
ゲテモノ系?の東京の郷土料理
ゲテモノといえる名物料理として、くさやがあります。
こちらのも郷土料理百選に選ばれていて、とてもにおいが強くはじめての方はびっくりします。
味は濃厚でとてもおいしいのですが、焼いていると近辺ににおいが充満してしまうほど臭くて近所迷惑になるほどです。魚の成分が発酵したくさや汁で漬け込んだアジやトビウオを天日干してつくられています。
新島、八丈島などの伊豆諸島で現在でも生産されています。
もんじゃ焼
少し変わった料理で、現在はだいぶ知名度が上がったといえる名物料理はもんじゃ焼きです。
小麦粉に野菜やお肉、魚貝類を入れてソースやお醤油などの調味料を入れて味付けをし、鉄板で焼きます。
お好み焼きに比べて水を多く入れるので、固まらないので小さなヘラで食べます。何人かでつまみながら食べるといった感じです。
おやつとして食べられていて、鉄板に文字を書きながら焼くイメージから、文字焼き、そしてもんじゃ焼きという名前になったといわれています。
月島や浅草などに多くのもんじゃ焼き屋さんがあり、観光客に人気になっています。イカ、明太子、エビ、お肉、お餅など具のバリエーションが豊富でとても楽しいです。
私ははじめて食べた時、一緒に食べにいった人に「ゲロに似てるよ。」といわれてびっくりしましたが、本当に似ていたので、またびっくり。でも味はおいしくてとても好きになりました。
家でも時々つくりますが、簡単でおいしく楽しめる名物料理です。こちらも百選に選ばれています。
江戸そば
そばは江戸そばと呼ばれ、江戸時代から伝わる庶民の味です。全国で食べられていますが、汁の味や濃さなどはその地域独特のものがあります。
そば屋でお酒を飲み、しめにそばを食べるといったことが昔からあったようです。
天ぷら
また天ぷらはやはり江戸時代からある料理で「江戸の三味」の一つです。現在では日本中にある日本料理になっています。「てんふら」という名前で1669年の「食道記」に記されています。
うな丼
うな丼は、ウナギのかば焼きをご飯の上に乗せたどんぶりで、やはり江戸に伝わる料理です。
私の家の近所に古くからあるウナギ屋さんがあります。江戸川の橋のたもとにあり有名なウナギ屋さんで「ウナギが嫌いな人の来店はお断り」と外の看板に書かれていて、「自信があるんだなぁ。」と思いました。
ウナギのメニューしかないので、たしかにウナギが嫌いな人は食べるものがありませんね。
佃煮
近くに海があることから、小魚やあさりなどの佃煮は古くからあります。昆布や野菜の佃煮も一般的で、昔から保存食として食べられていました。
醤油や砂糖を多く使っていて味が濃いので、ご飯にとても合いおいしいです。
江戸時代に参勤交代で江戸に来た武士が、江戸の名物として地方に持ち帰ったことから全国に広まったといわれています。お土産にまた常備食として現在でも人気があります。
まとめ
知人に漁師の娘さんがいて、もう70歳を越えていますが、子どもの頃からお魚や貝などが豊富でおいしい魚貝料理をたくさん知っています。現在では少なくなりましたが、「にこごり」というサメを煮たものを冷やしてゼリーのようにして食べる料理を教えてもらいました。
もちろん家でつくるのは難しいもので、お店で買ってきます。
海沿いの古くからある家では、今でもあさりの佃煮などをつくっています。
小松菜の名前の由来は、江戸川区小松川で栽培されていたことからで、現在でも小松菜を使った汁ものなどが伝統食になっています。
大都市東京にも古くから伝わる郷土料理や名物料理があり、現在でも人々に親しまれています。