これは私が20歳になったとき初めて行った海外旅行での出来事です。
なぜカンボジアに行こうかと思ったのはボランティア活動にとても興味があり一度行ってみたいと思っていた時にカンボジアで孤児院を回るボランティアツアーみたいなものがありそれに惹かれて初めての海外へ行きました。
そこでは同じツアーに申し込みをしていた方々と行動を共にするようになり5人ほどでいつも一緒に行動していました。
中でも私と同い年の女性が1人参加していたことがとても心強く、初めての海外で不安だったこともありその女性とホテルの部屋を同室にしてもらうようにお願いしました。その方も海外が初めてだったらしく私たちは2人同じ部屋に寝泊まりすることに決めました。
カンボジアという国は日本とは全く違った文化で治安もとても悪いです。
女性が1人で出歩くのはあまりに危険すぎる街でした。
私が持って行った貴重品はパスポートと現地のお金をいくらかぐらいでしたが、日中孤児院でボランティア活動をする際は子供と走ったり遊んだりと、体を動かすことがほとんどなので貴重品を身につけている余裕もないですし、かといってロッカーや荷物を安心して置いておける場所なんてものはなく置きっぱなし状態になってしまうのです。
さすがの私もそれは不安でする勇気もなかったので少しのお金を持ち、パスポートと残りのお金はホテルの自分達の部屋の鍵が付いている金庫に入れておくことにしました。
1日分のご飯が買える程度のお金以外は全て金庫に保管するようにしました。
その金庫はナンバー登録が出来るようになっていたので自分にしかわからない番号にしておけば誰も開けることができない安心感があったので貴重品は全てそこに入れていました。
キャリーケースも南京錠は付けていましたが、それごと持って行かれてはどうすることもできないのでなるべく金庫に全てのものを保管するようにしていました。
そしていつもと変わらないよう朝ホテルを出て、孤児院でボランティア活動をし、同室の女性とディナーを食べてからホテルへ戻った時に事件はおこりました。
明日の用意をしようと金庫を開けるとそこに入れていたはずのお金がありませんでした。
パスポートは私も同室の彼女の分も無事ありましたが現金だけがごっそりと無くなっていたのです。
金庫のナンバーは誰にも教えていないし彼女とは朝から夜まで行動を共にしていたので彼女ではないことは確かでした。
思いつくのはホテルの人間くらいしかいなかったです。
一応ホテルの人に聞いてはみましたが誰もわからないとしか言ってくれず、自己管理になるので、となにもケアはしてくれませんでした。
まさか金庫に入れているものまで無くなるとは思ってもいなくて現実を受け止めるのに少し時間がかかりました。
現金がゼロ円になった私たちは同じツアーの方々に少しずつお金を借りてなんとか過ごすことができましたが、これを機に海外旅行では自分以外は信じることが出来なくなりましたし、旅行にいくなら海外よりも日本国内を楽しみたいと強く思うようになりました。
海外ではなにが起こるか予測不可能な部分も多々あるので安心しきれないところが少しネックになりますね。海外旅行にまた行くことになればその時はなるべく貴重品になるものは持って行かないようにしないといけないと学びました。
それにしてもホテルの部屋の金庫に保管していた現金が盗難にあっても、ホテルは全く関知しないというのは、治安の悪い国への旅行のリスクを考えさせられるエピソードでした。日本から出ると自己責任という言葉を強く認識しなければならないのですね。