マズローの欲求段階説について

自己実現 特集

マズローの欲求段階説というのは、欲求五段階説とも言われるもので、行動科学理論と呼ばれるものの一つです。

日本では、目標管理(目標による管理)というシステムが導入されたときに、その背景理論として多くの人に知られ、浸透したものと言えます。

マズローは、人間が望む欲求はどんな構造になっているかを明らかにしようとしたのですが、その研究の結果、五つの段階的な欲求があるという理論を提唱したのです。

その概要は、次の通りになります。

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第一段階の欲求

まず、第一段階の欲求は生理的の欲求と言われます。

人間が生きていく上での最小限の欲求であり、具体的には衣食住など生命を維持するために必要なものを求めるという位置づけになります。

第二段階の欲求

第二段階のものは安全または安定の欲求と言われるものです。

危険から守ろうとする欲求であり、また安心感が欲しいというものとなります。脅迫や災害から逃れたい、危険にさらされるのは避けたい、安心して暮らしたいというようになります。

第三段階の欲求

第三段階の欲求は社会的あるいは連帯の欲求と呼ばれるものです。

所属と愛の欲求というように表現されることもありますが、仲間と協力し合いたい、友情や愛情などに基づく社会生活を送りたいというものです。

このあたりまでの欲求は、人間が人並みに社会生活を営みたいというレベルですが、さらに人は次の次元の欲求を求めて行くことになります。

第四段階の欲求

第四段階の欲求は自尊の欲求と言われます。

承認や自我の欲求とも言われます。

第三段階でも同じ要素を含んでいますが、前提として、自分の能力を伸ばしたいとか、個性を発揮したいということもあり、自分の独自性を認めてほしいということも入ってきます。

第五段階の欲求

そして、第五段階の欲求は自己実現の欲求ということになります。

自己実現という言葉は、登場した途端にインパクトにあるものとして受け止められたので、多くの人が自己実現という言葉を使うようになったのですが、マズローのいわば自己実現理論が示す究極の欲求ということになります。

自己の能力や自分らしさなどを何らかの形で実現したいとう欲求であり、具体的には、自分自身が満足できる仕事を完成させたとか、仕上げられたとか、ということからくる精神的な充実感を伴うものとされています。

だからこそ、目標管理の背景理論として、チャレンジングな目標設定と達成感やそれから来る感動などが一体になれるものとされているわけです。

自己実現の欲求

そして、第一段階の欲求が満たされると、第二段階得へ、第二段階が満たされると第三段階へと順次高い段階の欲求を求めるようになり、究極は第五段階をもと求めることとなるとしています。

通常、人は第三段階まではかなりの程度で満たされますが、それらが満たされると、人間が人間たる所以である、第四、第五段階を求めるようになるというわけです。

マズローによれば、人は多くの時間を費やす仕事や職場を通して自分の能力や個性を育成し、伸ばしたいと考えている(自尊の欲求)し、仕事の中に、自分のすべてを傾注して、やり遂げたとき、思わず「やった!」と叫びたくなるような喜びを求めている(自己実現の欲求)というわけです。

そして、マズローはその著『自己実現の経営』で、「すぐれた組織においては、人間と仕事の関係は循環関係にある。つまり、仕事によって人間が成長・向上し、それが企業に繁栄をもたらし、企業の繁栄は個人の成長・向上につながる」と述べています。

ということであり、マズローは1908年の誕生ですが、それまでのテーラーの科学的管理法やレスリスバーガーやメイヨーらの人間関係論を踏まえ、それらの理論の反省の下に、仕事と人間の両面を組織の中で両立させようとしたとも言われています。

それが今日まで生き生きとしている、驚くべき理論という評価もできます。

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